N.Yamazaki's blog

主に音声合成について思ったことを書いてみようと思います。
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音声合成LSI用のオーディオアンプ(再考)
音声合成LSI「AquesTalk pico LSI」でスピーカーを鳴らすためには外付けのオーディオアンプが必要です。
このオーディオアンプICは、多くのメーカから沢山の種類が発売されていてホントに選ぶのが大変です。
そこで、今回はお勧めのアンプICを回路定数と共に紹介します。

■簡単にD級で大出力
lm48310
まずは、Texas InstrumentsのLM48310を使ったもの。簡単に大音量を求めるならコレがお勧め。
電源5Vと4Ωのスピーカーで最大2.6Wの出力が得られます(5V 8Ωのときは、最大1.6W)。
PWMで駆動するD級アンプのため効率が高く(5V 1W時で88%)消費電流や発熱が少ないです。
一方で、AB級に比べて放射ノイズ(音質における雑音ではないですよ!)が大きいのでRF回路混在では注意が必要でしょう。もっとも、独自のスペクトラム拡散技術で放射ノイズを少なくしているとのことです。

■AB級で大出力
lm4871
次は、Texas InstrumentsのLM4871LD(またはLM4991LD)を使ったもの。
とにかく音量重視ならこちら。3Ωのスピーカーならなんと3Wの出力が出せます。
(電源5Vに4Ωのスピーカーなら2.5W、8Ωなら1.5W)
AB級のためD級のような放射ノイズが少ないため、RF回路との混在でもばっちりです。
ただし、効率がD級より悪いため消費電流も発熱も大きく、実装は放熱を考慮する必要があってちょっと面倒。
このパッケージはLLPというもので、PCBに放熱用のパタンを用意する必要があります。
なお、MSOPやDIPパッケージ版のLM4871(non LD版)というのもありますが、こちらは最大1.5Wまで(Vcc5V SP8Ω)となります。
実際に鳴らしてみた感想ですが、ボリュームを上げて出力が歪んだときの音質がD級よりも聞き易かったです。

■D級アンプその2
tpa2006
こちらは、秋月のKITでもおなじみのTPA2006D1(Texas Instruments製)を使ったもの。
電源5Vと8Ωのスピーカーで最大1.45Wの出力が得られます。
D級アンプであり、LM48310と特性が似ているのですが、注意点は、4ΩのスピーカーではVcc4.2Vまでとの制限があります。
スピーカーは8Ωとか、3V電源などと、動作環境がマッチすればお勧めです。
このICのパッケージはWSONですが、同種にSOPパッケージのTPA2005D1というのもあります(最大1.4W)。

■幕下落ち
ht82v739
以前に参考回路に載せていた HT82V739(HOLTEK製)を使ったもの。
今回これを参考回路から外します。理由は、入手経路が限られているのと入力インピーダンスがスペック上では不明(数KΩ程度?)なので。効率も不明です。でも、秋月でDIP版が手に入るので量産でなく個人で使う分には手軽ですね。

■番外編
Diodes製のPAM8301PAM8303Dといったものも検討したのですが、これもHT82V739同様に入力抵抗が不明、ゲインも平均値しか書いてないなど設計要件を満たさず落選。なお、PAM8301を実際に動かしてみたところ、そこそこ鳴るのだけど電源ラインに他のICには見られない程の酷いノイズがのって何だコリャって感じ。原因は不明。

超有名なLM386は選考外でした。上にあげた回路はすべてBTL駆動です。LM386などを使ったシングルエンドの回路は、原理的に出力が1/4になりますし、実装サイズの大きいカップリングコンデンサも必要になるので、スピーカーの片方を接地するといった特殊な条件がなければこれらを選択するメリットはないでしょう。

また、今回はTI製が多かったですが、他メーカのものとしては、MaximのMAX98304/MAX98314/MAX98300、STMicroのTS4962/A21SP16、NXPのSA58672あたりのD級アンプも良さそうです。

■使用上の注意
ところで、上記すべての回路はATP3011用です。ATP3012で使う場合には、AOUTからのLPF部分を次のように置き換えてください。
また、アンプのゲインはバラつきを考慮して多少大きめに設定していますので、ボリュームを最大にすると間違いなく音声出力が歪みます。大きな音量を得る場合でも、許容できる歪になるまでボリュームを下げて使ってください。
lpf30113012
■LINK
 N.Yamazaki's blog「音声合成LSIでイヤホンを鳴らすときの回路(アンプ不要)」
| AquesTalk pico LSI | 23:11 | - | - |
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